
職場に仕事を真剣にやらない人がいます。
いつも手を抜いていて、全く成長しません。
私が教育しているのですが、何度も同じミスを繰り返すし、
正直面倒見切れません。
私はとある小売店で店長として、部下社員やアルバイトスタッフを束ねながら、
仕事をしていました。
当時、その職場には、いわゆる「問題児」とされていた
鈴木さん(仮名)という主婦パートスタッフさんがおりました。
今回は、
・サボる人にどうアプローチするか
・どうしたらその人の行動は変わっていくのか
…という方向性ではなく、
その人は本当にサボっていますか?
という角度からお話したいと思います。
思いやりを忘れてしまった店長の話として
私の実体験です。
このストーリーは、
お荷物スタッフが優秀スタッフに成り上がった
というような成功ストーリーではありませんのでご容赦ください。
結論まとめ

◆人が集まれば、サボる人がいて当然
◆人材育成に自信のあった私は種を蒔き続けました
◆見返りがなく落胆、心を閉ざした店長
◆事件勃発。そして全てを理由を知る
◆外側だけをみて判断していませんか?
人が集まれば、サボる人がいて当然
人が集まれば、サボる人がいて当然・働きアリの法則、(2:6:2)の法則
働きアリの行動から導き出された、
「2割はよく働き、6割は普通に働き、2割は怠ける」法則のことです。
人が集まるチームであればサボろうとする人、
何もしない人が一定数いるのは仕方ないこと。
もはや世の中の原理原則と言えるのかもしれません。
ただ真剣にやってる身としては、
そういう人たちが目につくのは当然のことで、腹が立つものです。
人材育成に自信のあった私は種を蒔き続けました
・その人ってどんな人?
パートタイムで働く鈴木さんはフルタイム出勤で、
他のスタッフが1ー3年で入れ替わっていく中、
彼女はこの道10年の大ベテランです。
ただし仕事レベルは全くもって高くありませんでした
10年でそのレベル??と言わざるを得ない状況。
気づけばお手洗いにいき、10ー15分帰ってこない。スマホでもいじってるのでしょうか?
そのくせダラダラと残業しようとして、残業代を稼ごうとでも思ってるのか、、
と言わんばかりの行動ばかり。
ですが古株なので出勤日数をいきなり減らすこともできません。
過去の店長たちは、言葉は悪いですが『お荷物』だと思っていました。
裏でこそこそ不満を漏らしていたようです。
・できない人材なんていない
どんな人でも必ず意識は変えられる、仕事の楽しさを見出してあげれば活きいきと働いてくれるはず。
目が出るように、その種を蒔き続けることが上に立つ人間の仕事。
そう考え色々な角度からアプローチをしました。
ダラダラさせないように時間意識を持たせる、
特定業務の担当者になってもらい責任感を持たせる、都度声を掛けて情報を共有する etc..
仕組みを変えて本人の意識が変われば状況は一変すると信じて変化の種を撒き続けました。
ですが結果は不発、何も変わりませんでした。
見返りがなく落胆、心を閉ざした店長。

・変わらない姿に落胆、以降何も求めなくなる
どんなにこちらが力を注いでも、何も変わらない、
変わるどころか相変わらず仕事のパフォーマンスは悪い。
そんな姿をみてわたしは落胆し、彼女に対し心を閉ざし、何も求めなくなりました。
仕事が遅くても、持ち場から離れても、ミスをしても、もう何も言わない。
その代わりきちんと仕事をしてくれても褒めもしない。完全な無関心状態です。
無関心とはいえ仕事ぶりには日々イライラとしている状態です。
・そして何かがプツンと切れてしまった。
そんな期間が数ヶ月続いたある日、私の中の何かが吹っ切れました。
・業務レベルが低すぎること、
・手を抜いているのではないか
・周りにも迷惑がかかっていること など、
私が思っていることを本人に全て伝えることにしました。
我慢の限界がきて不満を爆発させたといってもいいかもしれません。
事件勃発。そして全てを理由を知る
・私の思いの丈を全て伝えた結果
鈴木さんは、私の指摘を聞き入れ『すいません。意識を変えます』と言いました。
ですが、まぁ変わらないんだろうと私は内心思っていました。
その後の彼女の行動、予想がつくでしょうか・・・?
・・・
その日の午後、また彼女はまた持ち場から離れていきました。
どこかへ行きました。サボりです。
言葉にならないほどの不信感、イラだちが湧き上がったのを今でも覚えています。
あれだけ伝えてダメなら「もう辞めてもらおう」と
責任者として最悪の決断が頭をよぎってしてしまったのもこの時です。
・そして彼女の口から聞いた現状
数分後彼女は戻ってきて、
『今お時間よろしいでしょうか、面談したい』
と言ってきました。
私が指摘したことをパワハラだとでも訴えられるのだろうか。
そんなことをふと思いながらも面談を始めると彼女は色々と打ち明けてくれました。
・離婚したこと
・子供の親権問題で調停中のこと
・子供の朝練で5時起き、
毎朝1時間の送り迎えをしていること
・住居問題で不動産屋とあれこれ
やりとりしていること
彼女は想像し得ないほどの苦境の中にいました。
外側だけをみて判断していませんか?
これらを聞いてどう思われますか?
仕事とは関係のない、プライベートな話。
自分自身がまねいた結果だから自業自得。
もっと大変な人はいる。
そう思うこともできますし、その気持ちもわかります。
ですが私は、
「配慮できていなかった自分」を情けなく思いました。
ここ最近の仕事ぶりは
プライベートで色々重なった結果なのかもしれませんが、
じゃあそれ以前の仕事ぶりは?
別にサボってたのは最近だけの話じゃないけど。
冷静に考えればそう思えますし、
てきとーに作った嘘かもしれません。
(彼女は仕事でもよく嘘をついたり隠したりする性格です)
でもそんなことは私にはどうでも良かったのです。
相手のことを何も理解せず、
そして自分の都合の良いように働いてもらおうとしていた自分。
都合良く動いてくれないと腹が立っていた自分。
それでは責任者でいる価値がありません。
我が振りを見直した体験でした。
まとめ
職場にいるサボる人、
言い方は悪いですが、いわゆる「使えない」人、
やる気のないスタッフ。
・そんなスタッフに無関心になるのではなく、
・そんな人たちを許せないと思うのではなく、
その前に相手のことをきちんと把握しようとする。
把握した上で対応する
その行為こそが
人間らしくていいなと思いました。
相手をきちんと理解しているつもりでも、
ごく一部がわかっていないば場合がほとんどです。
そんな氷山の一角だけをみて相手を判断していませんか?
というお話でした。
仕事に、「思いやり」や「気遣い・配慮」がなくなれば、
それはあなたでなくてもできる仕事です。
もはや相手は関係ない。
相手がどうであれ、愛溢れた人間であろうとすることが
仕事をする意義の一つなのかなと思います。